目次
- 子供の歯科矯正に使える補助金・助成金はある?
- 一般的な小児矯正を対象とする補助金・助成金はない
- 保険適用なら各自治体の助成制度が利用できる可能性がある
- 子供の歯科矯正が保険適用となるケース
- 子供の歯科矯正の費用相場はいくら?
- I期治療の費用相場
- II期治療の費用相場
- 子供の歯科矯正の費用を抑える方法はある?
- ①医療費控除を利用する
- ②高額療養費制度(保険適用の場合のみ)を利用する
- ③分割払い・デンタルローン・院内分割を利用する
- ④適切なタイミングで治療を開始する
- ⑤費用が明確な矯正歯科で治療を受ける
- ⑥複数クリニックの見積もりを比較する
- 子供の歯科矯正の費用についてのよくある質問
- Q:子供の歯列矯正でお金がないときはどうしたらいいですか?
- Q:子供の歯科矯正は始めるタイミングで費用総額は変わりますか?
- Q:子供の歯科矯正で母子家庭(ひとり親家庭)の補助金はありますか?
- Q:歯科矯正は子供のうちに始めたほうがいいですか?
- まとめ
顎が成長途中の子供にとって、歯列矯正は健やかな成長を促すために非常に重要な治療です。
歯列矯正は原則として保険が適用されない自由診療(自費診療)となるため「子供の歯科矯正に補助金や助成金はある?」「できるだけ費用を抑えたい」とお悩みの保護者の方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、子供の場合でも歯科矯正に使える国の補助金・助成金は現時点ではありません。
しかし、ごく一部のケースでは保険適用となり、自由診療の場合でも医療費控除で実質的な費用を抑えられる可能性があります。
この記事では、子供の歯科矯正に使える公的な支援制度について、国の補助金の有無、自治体の助成、保険が適用される条件、医療費控除、高額療養費制度まで詳しく解説します。
あわせて費用相場と負担を軽くする方法も紹介しますので、ぜひお子様の歯科矯正に役立ててみてください。
子供の歯科矯正に使える補助金・助成金はある?

結論からお伝えすると、一般的な歯並びの改善を目的とした子供の歯科矯正について、一律に給付される国の補助金・助成金はありません。
ただし、健康保険の対象となる症例では、自治体の子ども医療費助成などを利用できる場合があります。
一般的な小児矯正を対象とする補助金・助成金はない
現時点では、一般的な不正咬合(出っ歯や受け口、歯のガタつきなど)を治療する自由診療の小児矯正の費用を補助する全国一律の補助金・助成金はありません。
成人と同様、子供の歯列矯正も原則として保険が適用されないため、治療費は全額自己負担となります。
保険適用なら各自治体の助成制度が利用できる可能性がある
歯科矯正は基本的に自由診療になりますが、一定の条件を満たす症例の場合は、治療そのものが保険適用になります。
子供の歯科矯正が保険適用となった場合は、自治体が実施する「子ども医療費助成制度」などによって、保険診療の自己負担額をさらに軽減できる可能性があるでしょう。
例えば、福岡市の場合、高校生世代までが対象で、通院時の自己負担は3歳未満は無料、3歳以上~高校生世代までは1医療機関あたり月500円までとなります。(保護者の所得制限なし)
助成の対象年齢や自己負担額などの条件は自治体によって異なるため、住んでいる地域の制度を確認してみてください。
(参考:福岡市『子ども医療費助成制度』)
子供の歯科矯正が保険適用となるケース
子供の歯科矯正が保険適用となるのは、以下の3つに当てはまる場合です。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
引用:公益社団法人 日本矯正歯科学会『矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは』
なお、保険診療を受けるには施設基準を満たし、届出を行った医療機関での診断・治療が必要になります。
子供の歯科矯正の費用相場はいくら?

自由診療の子供の歯科矯正では、実際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
以下で目安を紹介します。
| 治療段階 | 時期の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| I期治療 | 6〜12歳頃(混合歯列期) | 10万〜60万円 |
| II期治療 | 12歳頃〜(永久歯列期) | I期治療から移行する場合:30万〜70万円 II期治療単独で受ける場合:60万〜160万円 |
なお、II期治療は成人矯正と同様の装置・方法で行うことが多いため、クリニックによっては「小児矯正=I期治療」とし、II期治療を「成人矯正(本格矯正)」として扱う場合もあります。
この記事では、小児期から始まる矯正治療の全体像を説明するため、成長期に行う「I期治療」と、永久歯が生え揃った後に行う「II期治療」までを含めて「小児矯正」として解説しています。
I期治療の費用相場
I期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に「永久歯がきれいに並ぶ土台をつくること」を目的として行う治療です。
顎の幅を広げる、指しゃぶりや舌の癖を改善するなどのアプローチにより健康な発育を促し、歯が自然に生え揃うようにサポートします。
費用の目安は10万〜60万円程度で、症例や使用する装置によって費用が変わってきます。
II期治療の費用相場
II期治療は、永久歯が生えそろったあとに行う本格的な矯正で、内容としては大人の矯正治療とほぼ同じです。
ブラケットやワイヤーを使うワイヤー矯正、マウスピース型矯正装置(インビザライン、エンジェルアライナーなど)を使って歯を少しずつ動かし、最終的な歯並びと噛み合わせを完成させていきます。
II期治療は始めるタイミングによっても費用が変わり、I期治療から移行する場合は30万〜70万円程度、II期治療を単独で受ける場合は60万〜160万円程度が目安となります。
子供の歯科矯正の費用を抑える方法はある?

子供の歯科矯正で補助金が使えないとしても、負担を軽くするためにさまざまな工夫ができます。
- 医療費控除を利用する
- 高額療養費制度(保険適用の場合のみ)を利用する
- 分割払い・デンタルローン・院内分割を利用する
- 適切なタイミングで治療を開始する
- 費用が明確な矯正歯科で治療を受ける
- 複数クリニックの見積もりを比較する
ここからは、上記の6つの方法について詳しく解説します。
①医療費控除を利用する
多くの患者様が利用できる可能性があるのが、医療費控除です。
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告によって所得控除を受けられる制度です。(控除の上限は200万円)
自由診療の歯科矯正でも、「治療目的」であれば、医療費控除の対象になります。
医療費控除の対象になる子供の歯科矯正は?
子供の歯科矯正の場合、顎の成長を阻害しないため・機能改善のために必要な治療とみなされ、医療費控除の対象になりやすい傾向があります。(見た目を美しくするなど「審美目的」の歯科矯正は対象外)
医療費控除の対象となる費用には、装置代だけでなく検査料・診断料・調整料、通院のための公共交通機関の運賃なども含まれるため、申請することで実質的な負担を抑えることにつながるでしょう。
▶歯列矯正は医療費控除の対象?大人&子どもの条件・いくら戻るか・やり方を解説
医療費控除でいくら戻ってくる?
医療費控除で軽減できる税額は、「控除額」と「所得税率」によって変わります。
還付額の目安は、以下の方法で計算できます。
- 1年間に支払った医療費を合計する
- 保険金・給付金・高額療養費などの補填額を差し引く
- 10万円(総所得金額等200万円未満の場合は5%)を引いて控除額を算出する
- 控除額に所得税率を掛けると、おおよその還付額がわかる
所得が高い(所得税率が高い)方が申請したほうが軽減効果が大きくなるため、生計を同じくするご家族でまとめて申請する場合は、所得が高い方が申請するといいでしょう。
②高額療養費制度(保険適用の場合のみ)を利用する
高額療養費制度は、1か月に支払った医療費の自己負担額が所得に応じた上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。
対象となるのは保険診療の自己負担分のみで、自由診療の歯科矯正には使えませんが、顎変形症のように医療費が高額になるケースで活用できます。
なお、高額療養費制度は2026年8月診療分から自己負担限度額の引き上げと年間上限が新設されています。
③分割払い・デンタルローン・院内分割を利用する
歯科矯正は費用が高額になりがちですが、分割払い・デンタルローン・院内分割などを利用することで、一度に支払う負担を抑えて治療できます。
クレジットカードの分割払いやデンタルローンは多くのクリニックが対応しています。
院内分割があるかどうかはクリニックによって変わりますが、無金利で利用できることもあるため支払い方法を確認してみましょう。
なお、金利や手数料によって一括払いよりも総額が高くなることがあるため、こちらも合わせて事前確認が必要です。
④適切なタイミングで治療を開始する
子供の歯科矯正は早く始めるほどいいわけではなく、適切なタイミングを見極めることが大切です。
歯並びによっては、I期治療で土台を整えておくことで、II期治療が短縮されたり、不要になったりして費用が抑えられるケースもあります。
歯並びの状態や成長はお子様一人ひとり異なるため、成長段階に合ったタイミングを見極めてくれる矯正歯科のもとで治療を受けましょう。
また、I期治療から始めた場合とII期治療から始めた場合でどう費用が変わってくるかもあわせて確認がおすすめです。
⑤費用が明確な矯正歯科で治療を受ける
矯正歯科を選ぶ際は、「治療終了までに必要な総額」がいくらかを確認しましょう。
装置代のほかにも、検査料や診断料、毎回の調整料、追加装置、保定装置などによって、当初の想定より総額が高くなることがあるためです。
前もって明確に料金を提示してくれる矯正歯科であれば、費用の不安を抑えつつ治療を進められるでしょう。
⑥複数クリニックの見積もりを比較する
歯科矯正は自由診療であり、クリニックごとに費用が異なります。
治療内容が同じでもクリニックによって費用が変わるため、複数クリニックで見積もりを出してもらうことで、お子様の歯並びの治療に必要な費用相場感がわかり、矯正歯科医の治療方針の比較もできます。
単純に費用の安さで選ぶのではなく、診断の根拠(どの検査結果をもとに、なぜその計画なのか)を提示してくれるか、矯正認定医などの資格があるかなどもあわせてチェックしておきたいポイントです。
子供の歯科矯正の費用についてのよくある質問

ここでは、お子様の歯科矯正の費用について患者様から寄せられることの多い質問と回答を紹介します。
Q:子供の歯列矯正でお金がないときはどうしたらいいですか?
A:一括での支払いが難しい場合でも、分割払いやローンを利用することで1回での支払額を抑えることが可能です。
また、矯正装置の種類によっては、費用を抑えて治療を開始できるケースもあります。
矯正歯科で検査を受けたからといって、すぐに治療が必要になるとは限りません。
今すぐ治療を開始する必要がなければ、経過観察をしながら資金を準備する期間を確保できる場合もあるため、まずは一度予算も含めて相談してみるのがおすすめです。
▶歯科矯正したいけどお金がない!今すぐ治療を始める方法と負担を抑える対処法
Q:子供の歯科矯正は始めるタイミングで費用総額は変わりますか?
A:I期治療で顎の成長をコントロールできた場合、II期治療が不要になったり、期間が短縮されたりすることで、結果的に費用を抑えられる可能性があります。
抜歯を避けられる、将来の外科手術を回避できるといった結果につながれば、その分の費用も発生しません。
Q:子供の歯科矯正で母子家庭(ひとり親家庭)の補助金はありますか?
A:見た目や軽度な歯並びの改善など、自由診療な歯科矯正を対象とした母子家庭(ひとり親家庭)向けの補助金は現時点ではありません。
ひとり親家庭を対象とした「ひとり親家庭等医療費助成制度」は多くの自治体で実施されていますが、助成の対象となるのは健康保険が適用される診療の自己負担分であり、自由診療の歯科矯正は対象外となります。
Q:歯科矯正は子供のうちに始めたほうがいいですか?
A:すべてのケースで子供のうちからの歯科矯正が推奨されるわけではありませんが、機能的な問題がある場合は早めに治療したほうがいいケースもあります。
顎の骨が成長している子供の時期であれば、顎の骨格のバランスを整えたり、永久歯が並ぶスペースを確保したりすることで、将来的な抜歯や外科手術を回避できることがあります。
すぐ治療を始めるべきか、成長を見守りながら待つべきか、歯並びが気になった段階で矯正歯科で一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
一般的な自由診療の子供の歯科矯正に使える補助金・助成金はありませんが、治療目的であれば自由診療でも医療費控除の対象になり、実質的な負担を軽減できます。
その他、分割払いやデンタルローンの活用、適切な開始時期の見極めなど、さまざまな方法で歯科矯正の費用負担を抑える工夫が可能です。
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「子供に矯正が必要なのか」「いつから始めるべきか」「費用はどのくらいかかるのか」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。