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天神矯正歯科
コラム
母に抱っこされて指をしゃぶっている子供

おしゃぶり・指しゃぶりは歯並びに悪影響?何歳までにやめるべきかや卒業のコツを紹介

目次

「おしゃぶりを使うと、子どもの歯並びが悪くなる?」「指しゃぶりは何歳までなら大丈夫?」と心配している保護者の方も多いのではないでしょうか。

おしゃぶりや指しゃぶりには、赤ちゃんが安心するといったメリットもある一方、長期間使い続けると歯並びや舌の筋肉などに影響を与えてしまうことがあります。

年齢や使用頻度なども影響するため、すべてのケースですぐにやめたほうがいいとは言えませんが、発育への影響や卒業時期の目安を知っておくことが大切です。

この記事では、おしゃぶり・指しゃぶりが歯並びや永久歯に与える影響、メリット・デメリット、やめる時期や方法について詳しく解説します。

お子様のおしゃぶりや指しゃぶりが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

おしゃぶり・指しゃぶりは歯並びに良くない?

おしゃぶりをしている赤ちゃん

おしゃぶりや指しゃぶりをしているからといって、すぐに歯並びが悪くなるわけではありません。

指しゃぶりや「吸う」という行為は、赤ちゃんの発達に関わる自然な行動です。

ここでは、赤ちゃんにとってのおしゃぶりや指しゃぶりはどんなものか、おしゃぶりと指しゃぶりの違いについて解説します。

指しゃぶりは赤ちゃんに必要なもの

指しゃぶりは赤ちゃんがお腹の中にいる胎児期からみられ、生まれた後に母乳を飲むための練習として重要な役割を果たすと考えられています。

吸う動きでは舌や口周りの筋肉を使うため、舌を使った飲み込みや呼吸など、口の機能を身につけていくうえでも重要です。

また、眠いときや不安を感じたときに指を吸い、自分自身を落ち着かせることもあります。

そのため、赤ちゃんの「吸う」という行為自体を悪いものと考える必要はありません。

一方、乳歯が生えるようになってからも吸う動作による影響が長く続くと、歯や顎に力がかかり、歯並び・噛み合わせに影響する可能性があるため、適切な時期での卒業が大切になってきます。

おしゃぶり・指しゃぶりが与える影響の違い

同じ「吸う癖」でも、おしゃぶりと指しゃぶりでは歯並びへの現れ方に違いが見られます。

1,120人の子どもを対象とした調査では、2歳児では指しゃぶりをしている子どもに「出っ歯」、おしゃぶりを使用している子どもに「開咬」が多く見られました。

さらに5歳児では、その傾向がより強くなったと報告されています。

4~5歳の子ども432人を対象とした別の調査でも、おしゃぶりを長期間使用するほど、前歯が噛み合わない「開咬」になりやすいという結果が示されています。

また、どちらも歯並びに影響しますが、指しゃぶりのほうが吸う力が強くなりやすく、また、癖になりやすい傾向があるといいます。

(参考:公益社団法人 日本小児歯科学会『小児の保健に関する小児科と小児歯科の検討委員会の設立について』)

おしゃぶり・指しゃぶりが歯並びや永久歯に与える影響

乳歯の生えた赤ちゃん

おしゃぶりや指しゃぶりを長く続けると、歯だけでなく、歯が並ぶ顎や舌・唇の使い方にも影響することがあります。

影響主な状態
出っ歯(上顎前突)上の前歯が前方へ傾く
開咬(オープンバイト)前歯が噛み合わず隙間が残る
交叉咬合(クロスバイト)奥歯の噛み合わせが横にずれる
顎の発達顎の成長がアンバランスになる
舌癖・口呼吸舌が低い位置に留まる
構音障害サ行・タ行・ナ行・ラ行が不明瞭になる
歯列狭窄永久歯のスペースが不足する

ここからは、おしゃぶり・指しゃぶりが歯並びや永久歯に与える影響について詳しく解説します。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)は、上の前歯が前方へ傾いて突き出してしまう状態です。

吸う力や指によって圧がかかり続けると、前歯が前方に押し出されやすくなります。

前歯が突出すると将来的に見た目のコンプレックスになってしまうことがあるほか、唇が閉じにくくなり、口呼吸や転倒時の外傷リスク上昇といったデメリットもあります。

▶出っ歯になる原因は?デメリットや治し方・費用を解説

開咬(オープンバイト)

開咬(オープンバイト)とは、奥歯を噛み合わせても上下の前歯が接触せず、隙間が残ってしまう状態です。

歯が正しく噛み合わないことで、食べ物をうまく噛み切れなくなったり、発音にも影響することがあります。

交叉咬合(クロスバイト)

交叉咬合(クロスバイト)は、上下の噛み合わせがずれてしまい、一部反対になっている状態です。

おしゃぶりや指しゃぶりを長期間続けると、片側性交叉咬合(左右どちらかに異常が見られる状態)につながることがあります。

顎関節に負担がかかることで顎関節症のリスクが高まるほか、片側性交叉咬合では顔の左右のバランスにも影響するなど、審美的な問題が生じるリスクもあります。

顎の発達への影響

歯並びは、歯を支える顎の骨や口周りの筋肉とのバランスによって形づくられます。

おしゃぶりや指しゃぶりを長期間続けると、舌や頬などの筋肉のバランスが崩れ、顎の発達にも影響を与えることがあります。

吸う力によって上顎が狭くなったり、下顎の発達が抑えられて奥に引っ込む「下顎後退」の原因になることもあり、注意が必要です。

舌癖・口呼吸・構音障害

本来であれば、舌は上顎に軽く触れた位置に収まっているのが定位置です。

しかし、開咬や出っ歯によって前歯に隙間ができると、舌がその隙間へ入り込み、前へ押し出す癖(舌癖)や口呼吸、構音障害が起こりやすくなります。

舌癖があると、サ行・タ行・ナ行・ラ行などがうまく発音できないことがあります。

歯列狭窄(永久歯の生えるスペースがなくなる)

指しゃぶりやおしゃぶりを長期間使い続けると、吸う力によって上顎の歯列が狭くなる「歯列狭窄」の原因になります。

永久歯は乳歯より大きいため、歯列が狭くなり歯が並ぶスペースが不足すると、叢生(乱ぐい歯)を引き起こしやすくなります。

おしゃぶり・指しゃぶりのメリット

指をしゃぶりながら寝ている子供

おしゃぶりや指しゃぶりには、赤ちゃんの気持ちが落ち着くなどのメリットもあります。

ここからは、おしゃぶりと指しゃぶりのメリットについて詳しく解説します。

【共通】精神的な安定

赤ちゃんには生まれつき口に入れたものに吸い付く吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)と呼ばれる反射があり、吸うという動作で安心感や心地よさを感じます。

おしゃぶりや指しゃぶりはこの本能を満たし、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる効果があるといわれています。

【共通】保護者の子育てストレス軽減につながる

夜泣きや寝ぐずりが続く時期は、保護者の方の育児ストレスが大きくなりがちです。

おしゃぶりや指しゃぶりをすると赤ちゃんは安心するため、寝付きが良くなる効果が期待できます。

【おしゃぶり】指しゃぶりの防止になる

おしゃぶりには、指しゃぶりの習慣化を防ぐ効果が期待できます。

指しゃぶりは癖になりやすく、また、保護者の方が取り上げてしまうこともできません。

おしゃぶりであれば、保護者の方が使う場面をコントロールしやすいメリットがあります。

【おしゃぶり】乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが下がる可能性がある

アメリカの研究では、おしゃぶりの使用が乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防に効果がある可能性が示唆されています。

ただし、乳幼児突然死症候群が多いのは生後2〜6か月頃で、1歳を過ぎて発症することはまれだとされています。

(参考:Rachel Y Moon, Rebecca F Carlin, Ivan Hand『Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment』)

【おしゃぶり】保護者がやめさせやすい

指しゃぶりと比べると、おしゃぶりは保護者の方の判断で使う時間をコントロールしやすいこともメリットです。

指はいつでも口へ運べるため、無意識の癖になってしまっていることがありますが、おしゃぶりは物理的に手元から離せるため、使用時間を段階的に減らすといった工夫ができます。

おしゃぶり・指しゃぶりのデメリット

隙間のあいた乳歯

おしゃぶりや指しゃぶりは赤ちゃんや子どもに自然に見られる行動ですが、一定の年齢を超えて長期間続くとデメリットもあります。

【共通】歯並び・噛み合わせに影響する

おしゃぶりや指しゃぶりを長期間続けると、歯に圧力がかかり続け、歯並びや噛み合わせを悪くしてしまうことがあります。

いきなり取り上げてしまうとストレスになってしまうため、卒業すべき時期に向けて段階的に減らしていくことが大切です。

【共通】舌や口の筋肉の成長に影響する

指やおしゃぶりを吸う癖が続くと、舌や口の筋肉の自然な成長が妨げられたり、新しく生えてくる歯に圧力がかかってしまうことがあります。

そのほか、不適切な筋肉の使い方が癖づくと、噛む・飲み込むといった動作に支障が出るリスクもあります。

【指しゃぶり】保護者がやめさせにくい

指しゃぶりは、おしゃぶりのような道具とは異なり、保護者の方が取り上げることができず、無意識のうちに行っていることもあります。

無理にやめさせると「爪を噛む」「髪の毛を抜く」といった他の癖に移行してしまうことがあり、突然ではなく少しずつ卒業を目指すことが大切です。

【指しゃぶり】指の皮膚・爪のトラブルにつながる

指しゃぶりが長く続くと、指がふやける、荒れる、感染を起こす、爪が変形するといった指や爪のトラブルにつながることがあります。

例えば、細菌や真菌(カンジダ)などによる感染症の「ひょう疽(ひょうそ)」は、指しゃぶりが原因の一つといわれています。

おしゃぶり・指しゃぶりはいつまでにやめるべき?

子どもの指しゃぶりをやめさせようとしている母とそれを見ている父

おしゃぶりと指しゃぶりでは、卒業の時期の目安は少し変わり、以下が目安です。

  • おしゃぶり……遅くとも2歳半まで
  • 指しゃぶり……3歳頃まで

おしゃぶりの場合、1歳を過ぎる頃から使う頻度を少しずつ減らしていき、遅くとも2歳半頃までには卒業できるようにするといいでしょう。

指しゃぶりは、1〜2歳頃になって遊びが広がったり、保育園や幼稚園で友達と遊ぶようになると自然に減少することが多いといいます。

指しゃぶりの場合は3歳頃までは様子を見て、頻繁に続いている場合は4歳までにやめられるようにしていくといいでしょう。

(参考:公益社団法人 日本小児歯科学会『小児の保健に関する小児科と小児歯科の検討委員会の設立について』)

おしゃぶり・指しゃぶりの上手なやめ方

おしゃぶりや指しゃぶりを卒業するときは、焦らず、段階的に減らしていくことが大切です。

以下で、おしゃぶり・指しゃぶりを卒業するときの工夫をいくつか紹介します。

方法具体的なやり方
安心できる他のアイテムを見つけるお気に入りの絵本など、おしゃぶりや指しゃぶり以外に安心できるものを見つける。抱っこや手を握るなどのスキンシップに置き換える方法もある。
なぜやめたほうがいいのかを伝える言葉を理解できる年齢になったら、「歯がきれいに並ぶように少しずつやめようね」など、子どもにもわかりやすい言葉で理由を伝える
段階的に減らしていくいきなり禁止するのではなく、まずは日中の使用を減らし、「寝る前だけ」など使用する時間や場面を減らしていく
手や身体を使った遊びを取り入れる積み木やお絵描き、工作、外遊びなどを取り入れ、遊びに集中する時間を増やす。自然と指を口へ運ぶ機会を減らすことにつながる
卒業を前向きなイベントにする「○歳になったら卒業しよう」と目標を決めたり、できた日にシールを貼ったりして、やめることを成長の一つとして前向きに捉えられるよう工夫する
就寝時の環境を整える絵本を読む、手を握る、背中を優しくさするなど、指しゃぶりやおしゃぶりがなくても安心して眠れる習慣をつくる
絆創膏やテープを貼る本人の同意を得たうえで指に絆創膏などを貼り、無意識に指を口へ運んだときに自分で気づけるようにする
歯科クリニックで相談する指しゃぶりが長期間続いている場合や、すでに歯並び・噛み合わせに変化が見られる場合は、歯科医師に相談する

歯科クリニックで行う指しゃぶり対策

「おしゃぶりが歯並びに影響しないか心配」「指しゃぶりがなかなかやめられない」など、お子様の癖が心配なときは、専門家への相談も検討してみましょう。

治らない癖の指導、不正咬合の治療のほか、癖によって崩れた筋肉のバランスを整える「口腔筋機能療法(MFT)」などの方法もあります。

口腔筋機能療法(MFT)とは舌・唇・頬の正しい使い方を身につけるトレーニングで、口呼吸や間違った飲み込みの癖の改善などさまざまな効果が期待できます。

さまざまな治療法があるため、ぜひ一度相談してみてください。

おしゃぶり・指しゃぶりについてのよくある質問

子どもの口の中をチェックしている矯正歯科医

ここでは、おしゃぶりや指しゃぶりについてのよくある質問を紹介します。

(参考:公益社団法人 日本小児歯科学会『小児の保健に関する小児科と小児歯科の検討委員会の設立について』)

Q:おしゃぶり・指しゃぶりは鼻呼吸や舌や顎の発達を促進するって本当ですか?

A:おしゃぶりの宣伝文句などで「鼻呼吸が身につく」「顎の発達が促される」という説明を目にすることがありますが、直接的な医学的根拠や明確なデータは乏しいとされています。

口呼吸の改善や顎の正常な発育を促す目的であれば、専門家のもとでの口腔筋機能療法(MFT)を検討しましょう。

Q:おしゃぶりをやめれば噛み合わせの異常は自然に治りますか?

A:おしゃぶりによる噛み合わせの異常は、2歳頃までに使用を中止すると、その後の成長に伴って改善することがあります。

ただし、不正咬合の種類や程度、使用期間、舌癖、顎の骨格などによっては治療を検討したほうがいいケースもあるため、歯並びや噛み合わせに気になる変化がある場合は歯科クリニックで相談しましょう。

まとめ

おしゃぶりや指しゃぶりは赤ちゃんや子どもにとって自然な行動であり、気持ちが落ち着くものでもあります。

一方で、長く続くと歯並びや噛み合わせに影響する可能性があるため、おしゃぶりは遅くとも2歳半まで、指しゃぶりは3歳頃を目安に、卒業できるようにするといいでしょう。

西鉄福岡(天神)駅から徒歩5分の『天神矯正歯科』では、矯正歯科医2名が診断に関わり、「患者様の歯並びは一人として同じではない」という考えのもと、一人ひとりの歯並びや顎の成長に合わせて治療方針を検討しています。

小児矯正にも対応しており、おしゃぶりや指しゃぶりが続くといったお悩みもご相談いただけます。

お子様の指しゃぶりや歯並びが気になる方は、ぜひ一度、天神矯正歯科にお気軽にご相談ください。