目次
- ガミースマイルとは?定義や基準
- ガミースマイルの原因
- 上顎の骨が過剰に発達している
- 歯が通常よりも下の位置に生えている
- 歯の長さが短い
- 歯茎が過剰に発達している
- 上唇を上げる筋肉の力が強い
- 咬み合わせに問題がある
- ガミースマイルを放置するデメリット
- コンプレックスにつながる
- 虫歯や歯周病の発症リスクが高まる
- 口臭につながる可能性がある
- ガミースマイルの治療法
- 矯正治療
- 歯肉切除(歯肉形成術)
- 歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
- 上唇粘膜切除術(LIP)
- セラミック矯正
- ルフォーI 型骨切り術
- ボトックス注射
- ガミースマイルについてのよくある質問
- Q:ガミースマイルは自力で治せますか?
- Q:ガミースマイルが女性に多いと言われる理由はなんですか?
- Q:ガミースマイル治療の費用はいくらですか?
- まとめ
ガミースマイルとは、笑ったときや話したときに、上顎の歯茎が目立つ状態のことをいいます。
「写真を見るたびに笑顔が気になる」「歯茎が気になって笑うときに口元を隠してしまう」とお悩みの方は、もしかしたらガミースマイルが原因かもしれません。
ガミースマイルになる原因は複数あり、治療法もさまざまです。そのため、まずはご自身の状態を正しく理解することが大切です。
この記事では、ガミースマイルの定義や基準、原因、矯正歯科での治療法について詳しく解説します。
ガミースマイルは必ずしも治療が必要なわけではないものの、笑顔に自信が持てず、口元へのコンプレックスから深く悩まれている患者様は少なくありません。
ガミースマイルが気になっている方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。
ガミースマイルとは?定義や基準

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が通常よりも多く見える状態を指します。
英語で「歯茎」を意味する「Gum」の形容詞「gummy(ガミー)」と「笑顔」の「smile(スマイル)」を合わせてガミースマイルと呼ばれています。
一般的に、「笑ったときに上の歯茎が3mm以上見えるかどうか」が、ガミースマイルの判断基準です。
0〜2mmであれば正常範囲とされるものの、3mm以上露出していると歯茎が目立ちやすくなる傾向があります。
ガミースマイルには軽度〜重度まで程度があり、3〜4mmであれば軽度、5〜9mmは中等度、10mm以上は重度とされます。
ガミースマイルをセルフチェックしたい場合は、鏡の前で自然な笑顔になり、歯茎がどのくらい見えているかチェックしてみましょう。
ガミースマイルの原因

ガミースマイルにはいくつかの原因があり、複数の要因が重なることで程度が悪化しているケースもあります。
ここからは、ガミースマイルの代表的な原因について詳しく解説します。
ご自身の状態に近いものがあるか確認しながら読み進めてみてください。
上顎の骨が過剰に発達している
上顎の骨が縦方向に大きく発達していると、笑ったときに歯茎が目立ちやすくなります。
ガミースマイルで特に多いのが骨格の問題とされ、欧米人に比べてアジア人は骨格的に笑ったときに歯茎が見えやすい傾向にあります。
また、上顎の骨が前に出る上顎前突(じょうがくぜんとつ)も、ガミースマイルの原因の一つです。
上顎前突の場合、口ゴボを併発していることもあります。
骨格的な要因が強い場合は矯正治療だけで十分な改善が難しく、外科矯正が検討されることもあります。
ただし、症例によっては矯正治療のみで審美性を向上できるケースもあるため、CTなどを用いた精密検査による診断が欠かせません。
歯が通常よりも下の位置に生えている
歯が正常な位置を超えて、過剰に生えてきたり伸びてきたりする状態を「過萌出(かほうしゅつ)」といいます。
歯そのものが下がると、歯を取り囲む歯茎のラインも一緒に下がるため、笑ったときの露出量が増えてしまうのです。
歯の萌出位置や歯並びの影響を受けているこのようなケースの場合、矯正治療で改善がしやすい傾向にあります。
歯の長さが短い
歯茎は平均的でも、歯の見えている部分(歯冠)が短ければ、相対的に歯茎の面積が広く映ってしまいます。
特に、生まれつき歯が小さい矮小歯(わいしょうし)では、歯が小さいことでガミースマイルに見えるケースがあります。
矮小歯は先天的な形態異常の一つで、日本人は約10人に1人の割合で見られるとされ、珍しいものではありません。
また、歯ぎしりや食いしばり、加齢によって歯がすり減ることで、相対的に歯茎が目立つこともあります。
歯茎が過剰に発達している
歯茎が厚く発達していることを歯肉過多(歯肉増殖症)といい、歯が一部隠れて見えるため、笑ったときにガミースマイルが目立ちやすくなります。
この状態は歯肉のボリュームが原因となっているため、歯の位置や骨格だけを治療しても十分な改善が得られないことがあり、歯肉形成術や歯冠長延長術が選択されることがあります。
上唇を上げる筋肉の力が強い
笑った際に上唇を持ち上げる「上唇挙筋(じょうしんきょきん)」の働きが強いと、歯茎が通常よりも大きく露出することがあります。
また、もともと上唇が薄い方、鼻の下から唇までの距離が短い方は、上唇挙筋の力が正常でも歯茎が見えやすく、ガミースマイルの状態になることがあります。
咬み合わせに問題がある
上下の前歯の重なりが非常に深い状態の「過蓋咬合(ディープバイト)」は、ガミースマイルと併発しやすい不正咬合です。
上顎前突でも、前に張り出した歯が上唇を押し上げることで歯茎が目立ちやすくなります。
ガミースマイルを放置するデメリット

ガミースマイルは病気ではないものの、原因によっては見た目だけでなく、お口の健康や機能に影響を及ぼすことがあります。
ここからは、ガミースマイルを放置することで起こることがある代表的なデメリットについて詳しく解説します。
コンプレックスにつながる
ガミースマイルでもっとも多く聞かれるのが、「笑顔に自信を持てなくなる」という心理面の負担です。
写真撮影のたびに口を閉じてしまう、会話中に手で口元を隠す、そもそも人前で大きく笑わないよう無意識に加減してしまうなど、ガミースマイルにお悩みの患者様は少なくありません。
もちろん、機能的な問題がなく、見た目が気にならなければ無理に治療する必要はありません。
しかし、「本当は思い切り笑いたい」という気持ちがあるなら、それは十分に相談する理由になるでしょう。
虫歯や歯周病の発症リスクが高まる
噛み合わせの異常や歯並びの乱れが原因でガミースマイルになっている場合、口の中の乾燥や清掃不良によって、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
また、歯茎が過剰に歯冠を覆っていると、歯ブラシの届かない場所が増え、プラーク(歯垢)が蓄積しやすい環境になる傾向があります。
口臭につながる可能性がある
重度のガミースマイルの場合、口が閉じにくくなることで口の中が乾燥しやすくなります。
口腔内の乾燥は唾液による自浄作用を低下させ、口臭が発生しやすい状況を作り出してしまうのです。
また、唾液が減ると食べかすやプラークが残りやすくなり、そこに含まれる細菌が硫化水素やメチルメルカプタンといった臭いの元となるガスを作り出し、口臭の悪化につながります。
ガミースマイルの治療法

ガミースマイルの治療法にはいくつかの方法があり、単独で行うこともあれば複数を組み合わせて治療することもあります。
前述の通り、ガミースマイルの原因は一つではないため、原因を正確に診断したうえで治療方針を決めることが重要です。
矯正治療
歯並びや噛み合わせが原因のガミースマイルに対しては、ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)やマウスピース型矯正装置(インビザライン、エンジェルアライナー)での治療を行います。
症例によっては、歯を動かすスペースを作るため、抜歯を検討することもあります。
このほか、当院では歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)を併用した「ガミースマイル矯正」にも対応しています。
顎の骨に小さなネジを一時的に埋め込み、それを固定源に上の前歯を歯茎側へ押し込む「圧下」を行うことで、歯茎のラインごと上方へ移動させる方法です。
ガミースマイルのほか、口元の突出感(口ゴボ)やアデノイド顔貌を改善する手段としても選択肢になります。
▶ガミースマイルは矯正治療でどこまで変わる?当クリニックの実際の症例写真や動画で解説
▶当クリニックのマウスピース型矯正装置(インビザライン・エンジェルアライナー)
歯肉切除(歯肉形成術)
歯肉形成術は、歯を覆っている余分な歯茎を切除し、歯を長く見せる治療法で、矯正治療と併用されることが多いです。
一度の施術で完了し、費用を抑えられる傾向にありますが、すべてのガミースマイルに適応するわけではありません。
また、歯茎の後戻りが起こる可能性があります。
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)は、歯茎を切除するだけでなく、その下にある歯槽骨を削って歯の見える長さを確保する方法です。
歯並びが悪い場合は、歯冠長延長術とセラミックの被せ物を併用することで、見た目を美しく整えることもあります。
上唇粘膜切除術(LIP)
上唇粘膜切除術(LIP)とは、上唇の内側の粘膜を切除し、笑った際に唇が過度に持ち上がらないように縫合する手術です。
唇が原因でガミースマイルになっている場合に検討され、1回の手術で終わることが多いですが、引きつって笑顔が不自然になることがあり、慎重に検討する必要があります。
セラミック矯正
セラミック矯正は、歯を削ってセラミックの被せ物を装着し、歯の形や長さ、向きを整える方法です。
「矯正」とつくものの、歯を動かす一般的な矯正とは仕組みが異なるため、正確には「補綴(ほてつ)による修正」になります。
短期間で治療できるものの、根本的な解決方法にはならない、健康な歯を大きく削る必要があるといった注意点もあります。
ルフォーI 型骨切り術
ルフォーⅠ型骨切り術は、上顎骨を水平に切り離して上方へ移動させ、中顔面の長さと歯茎の露出を改善する外科手術です。
外科手術のため大幅な変化が期待できますが、全身麻酔と入院が必要な大掛かりな外科手術であり、身体の負担は大きくなります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、上唇を引き上げる筋肉にボツリヌストキシン製剤を注入し、筋肉の働きを一時的に弱めて唇の動きを抑える方法です。
ただし効果は永続的ではなく、3〜6か月で薄れるため、根本的な治療法ではありません。
ガミースマイルについてのよくある質問

最後に、ガミースマイルについてのよくある質問と回答をまとめました。
Q:ガミースマイルは自力で治せますか?
A:骨格や歯の位置、歯茎の量が原因のガミースマイルは、自力で治すことはできません。
一方、唇の使い方や表情の癖が影響している軽度のケースであれば、口角の上げ方を意識することで見え方が変わる場合もあるようです。
ただし、自己流のトレーニングはかえって悪化を招く可能性も考えられるため、まずは一度矯正歯科で相談してみるのがおすすめです。
Q:ガミースマイルが女性に多いと言われる理由はなんですか?
A:女性の方が、男性よりも口元の皮膚が薄くて柔らかく、笑ったときに上唇が上がりやすいためガミースマイルになりやすいという説がありますが、科学的な根拠があるわけではありません。
海外の研究では、性別そのものはガミースマイルに影響しないという結果が出ています。
(参考:Mehtap Bilgin Çetin, Yasemin Sezgin, Seray Akıncı, Batuhan Bakırarar『Evaluating the Impacts of Some Etiologically Relevant Factors on Excessive Gingival Display』)
Q:ガミースマイル治療の費用はいくらですか?
A:ガミースマイル治療の費用は方法によって変わりますが、原則として健康保険が適用されない自由診療となり、数万円から250万円以上と幅があります。
例えば、ボトックス注射であれば数万円ほどですが、ルフォーI 型骨切り術の場合は一般的な150万円から250万円が相場です。
クリニックによっても料金は変わるため、詳しくはカウンセリングで確認してみましょう。
まとめ
ガミースマイルとは、笑ったときに上の歯茎が目立つ状態です。
治療が必要な病気ではないものの、目立つ歯茎がコンプレックスになり、長年の悩みになってしまっているケースは少なくありません。
矯正専門歯科である『天神矯正歯科』では、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置(インビザライン、エンジェルアライナー)といった従来の方法のほか、歯科矯正用アンカースクリューを併用したガミースマイル矯正にも対応しています。
「笑顔に自信を持ちたい」「外科手術以外の方法を検討したい」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談にお越しください。
